へレーズ・デ・ラ・フロンテーラにあるドメックの酒倉には、7,200万リットルのシェリー酒が熟成の時を待っている。
くる年もくる年も、熟成したシェリーが酒樽から抜かれてビン詰めにされ、樽は又若いワインで補充される。 
それはペドロ・ドメックが1730年に酒倉を創設していらい、営々続けられてきた作業である。
 

過去10年間、シェリーやブランデーなど、全ドメック製品のブレンドを決定してきたのは、1人の男のすぐれた感覚なのである。
ホセ・イグナシオ・ドメックにとって彼が「鼻」と呼ばれるのは、たんなる個人的な喜びだけではなく、大きな誇りでもあるのだ。

最良のシェリーをブレンドすることは、苦労の多い時を急がない仕事であり、秒を争う現代のビジネスの世界とは、はるかにかけ離れている。
それはセニョーラ・ドメックの言葉を借りていえば、「つねに威厳を持ってなされなければならない」仕事なのである。
 そしてまた、その仕事の成否は何年も、なん世代もかけて評価されるべき性質のものである。

スイスの技術者達は、ちょうどそんな風にロレックス時計のひとつひとつを創り出している。
彼らの仕事もまた遠い将来に評価されることを考えながら。
 
彼らは、生涯の経験をひとつの時計に投入する。
ホセ・イグナシオ・ドメックが「ただひたすら最良のものを創り出すために」と表現したように。
 
ホセ・イグナシオ・ドメックのロレックスもスイス公認計測協会により、正式に認可されたクロノメーターである。


時が止まったような静けさに包まれたアンダルシアの酒倉においては、少なくとも、この時計は相応しいものではないかもしれない。
 だが、ドメックは、彼のロレックスが高精度のときを計るだけでなく、それ以上のものであることを意識している。
 ロレックスは威厳を持って時を刻み続けている。

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