さて、時計談義に花が咲いて一日この調子でも良かった雰囲気なんすけど
やはり向かいの宝石●場の超ド級在庫点数が気になるということで
アタックポイントに渋谷、上野、銀座を予定とした時計店襲撃が始まった。
...、しかし上野で事件が起きてしまうのだった。
(太字部分はホンコンさんの原稿からの抜粋)

カリメロさんと張男さんのデイデイトコンビは宝石広場でプラチナデイデイトの220gという浮世離れした重さを自分の左腕に感じることを第一の目的としていて、一人じゃちょっと言いづらくとも二人なら大丈夫と試着を楽しみにしてました。
入り口を入ってすぐのショウウィンドウにSSから金無垢まですさまじい数のコスモが並んでおりアンティーク派のホンコンさんもしばらく釘付けになっていた。
ここはロレックス以外のラインナップも豊富なのでいくら見てても飽きないっすよね。
おれっちの5513ミラーダイアルはこの店で見つけたものでして、そのとき担当してくれた女の子もまだ元気に働いておりました。声を掛けてみましたが当然の事ながら全然覚えてくれてはいなかったっす。(´ー`)


軍曹殿の突撃命令で立ち上がったわれわれは、向かいの宝■広場へ突入した。
すでに少数の別の隊も来ていた。
店内は想いのほか広くさすがは首都圏の品揃え・・・壮観なショウウインドを眺めていたら、張男さんの時計とまったく同じルックスで素材違いのDDPTに数百万円の値が付いているのをみて、あらためてファーストロレにDDWGダイヤを選んだ張男さんのすごさを実感した。
私とカリメロさんはロレ一辺倒だが、銀次さんと軍曹殿はフトコロが広く、ゼニスのクロノマスターに魅せられていた。
文字盤の一部がスケルトンになりテンプが見えるタイプはほとんど数百万以上だが、これは60諭吉弱と割安感はある。
いずれ二人のどちらかが購入するものと思われる。
宝■広場の方、期待してください。

時計雑誌で見るゼニスのXXTオープン・グランド・クロノマスターは、ちょっと野暮ったい感じに見えたんすけど、実物はかなりいい線イッてました。
文字盤の10時位置に開いてる穴からエルプリの10振動のテンプがのぞけて、6時位置にパワーリザーブがあってニコニコしてるように見えるモデルっす。
ケース径44mmとパネライ級の大きさっすけど、じつはこれミディアムサイズもありまして、でもやっぱりラージサイズの方がいい感じでした。
軍曹殿は究極の時計にランゲ&ゾーネを狙ってる様子でしたね〜。
kenkenさんの厳しい目に止まるモデルは無かったようです。張男さんはPtDDの重さに感激していた様子です。
カリメロさんは、パテック、ランゲ、ヴァシュロンなどの高級時計を熱心に見ておりましたが、買いたいからというよりは、まだ自分のステージに乗ってきていないことを確認しているようでした。

今度は地下鉄に乗って御徒町へ移動する。
アメ横の雰囲気は何でもありの香港に通じ俄然ヤル気がでてくる。細い通路を右や左、はたまた引き返すというジャングルさながらの訓練は方向感覚を麻痺させる。
遅れてはいけないという思いと、カリメロさんはじめ他の隊員のチェックなど神経を使う。
サテン△ールなど数店の突撃訓練を消化した隊員たちに疲れの色が見え始めた頃、ク○ークで劇的に元気を取り戻した。
時計店にいるのに天国にいた。目の前に天使がいた。
4日前に入社したというカヨちゃんに魅せられた。
握手してくれるなら何か1本いっちゃってもいいと思った。私は5日前に買ったお客の不幸すら考えた。
あーぁ、500キロはあまりに遠すぎる。
おそらく銀次さんもおなじ思いだったに違いない。
今後のク■ークの繁盛ぶりを想像しながら去りがたい思いを引きずり店を後にした。

上野から御徒町のアメ横には小さな時計店がたくさんあった。
中にはフリーマーケットのように時計をごろごろ並べてる店や、通路と店舗の境がないような店があり、こんな所に高級時計並べてて大丈夫なの?という店がさも当たり前のように営業していた。
でも、通路と店の境がないような店では店側としてもお客か通行人かわからないらしく「いらっしゃいませ」も言ってくれなかった。(笑) 

その中でも時計雑誌でたまに目にするPという店も驚くほどの狭さだったがみょ〜に高そうな時計ばかりが並んでいた。雑居ビルのエレベーターに乗って着いたのはクォ●クで、雑誌で有名な店長がいた。

おれっちかホンコンさんかどちらが先に話しかけたかは忘れてしまったほどスムーズに会話し始めてていたんすけど、4日前に入社したばかりという、とても可愛い店員さんがおれっちとホンコンさんのボケとツッコミに頑張って必死でついてきてくれていた。
そのけなげな態度と超可愛い笑顔に速攻ファンになってしまったおれっちとホンコンさんは
「んじゃ、カヨちゃんをリボ払いでお買い上げ〜。」という言葉を、こんな可愛い娘の前でこんな下品な事を言ってはいけないと何度も何度も飲み込んでいた。
そのときカリ銀時計板を携帯で出してみせて「絶対書き込んでくれよ!HNはカヨコで頼むぜ。」とまさか書き込んではくれないだろうなと思いつつ言い残してきたんすけどHNもそのままに早速書き込んでくれたその素直さがまたよかったっすね〜。
これが有名な「ホンコンさんのカヨちゃん持ち帰り未遂事件」である。

しかし、首都圏には天使がたくさん使わされているのかもしれない。
途中合流した軍曹殿の奥方も、いわゆるベッピンで愛想がよく、天使のひとりに違いない。
隊に華やかな衛生兵が加わったことで怪我をしても大丈夫という安心感からか、猛烈に空腹感を覚えた。

軍曹殿の奥さんはとても愛想がよく都会的な雰囲気がある人だった。
女性に対して引っ込み思案な(んなわけないが)おれっちにも言葉を掛けてくれる優しい人でした。
しかし芯は強い方のようで、後の昼食会のときにカリメロさんにキツイ一発をかましてくれるのでした。(笑)

レストランの前の商品ディスプレイを上から下へ眺め回す軍曹殿の屈伸運動は、長身ゆえに普通の者より激しく見える。
そのアクションが珍しい時計を見つけたときのしぐさとまったく同じなので、空腹で何でも良かった私でさえ、背中越しにのぞき込みたくなった。
降りしきる雨の中を移動し、とあるビルの最上階にある衛生兵のご贔屓のレストランで小休止することとなった。
「ここは魚が美味しいのよ」という奥方を無視するかのように軍曹殿は“野菜炒め定食”を頼んだ。
つづいてカリメロさんもブタのしょうが焼き定食を注文する。
これが私の思考回路を停止させた。おい、魚はどうした?みんななぜ頼まない?
そのとき張男さんとおなじ町内で青春時代をすごしたヨメハンの言葉がよみがえってきた。
・・・・・東京で肉といえば、豚肉よ。・・・・・「えーっと、酢豚定食。」

この店は律儀なようで注文した順に料理がはこばれてくる。
はじめに軍曹殿の野菜炒め定食が来た。
私は何か違和感を感じた。
チラッとみた皿に千切りキャベツが載っていたからだ。
銀次さんが「先に食べたら」と軍曹殿にいったが、結局ビールで乾杯してからとなった。
そこへ店員があわてて飛んできて、野菜炒め定食を間違えたことを告げ回収し、結局それはカリメロさんのブタのしょうが焼き定食だった。

大阪では、これは天然のボケととらえ、笑いのためにツッコミを入れるのだが、ここは東京、何事もなかったかのように乾杯が始まった。

ここで再び時計談義となった。
この頃になると、みんなほとんど緊張から解放されていて和やかな雰囲気になってきていたので一発お笑いネタを、と思いカリメロさんの昔話を紹介する事にした。
ご存知の方も多いと思いますが、カリメロさんはごく一部の時計を除きコレクションの大半は奥様に秘密にしており、自分しか知らない場所に保管しているのだ。
その昔、デイトジャストとデイデイトしか持ってないことになっていた頃、つい青サブを奥様の前で腕に嵌めていて見つかってしまった時のこと、なんとカリメロさんは
「これはデイトジャストのベゼルと文字盤を交換したんだよ」といって誤魔化したらしい。
いくら時計に興味がない奥様でも騙されているわけがないとは思うんすけど...。

「カリメロさん、どこに隠してはるんでっか?」「何個位隠してるんすか?」などと質問が飛ぶ中、日の目を見れない時計たちのことを可哀想に思ったのか「時計に罪は無いんだけどね〜。」とばっさりやってくれたのは嫁軍曹どのだった。
時計ファンは多かれ少なかれカリメロさんのように奥さんには言い出しづらい(または言えない)ことがあるもんす。
今後カリ銀時計板では、この嫁軍曹どのの一言を座右の銘として心に刻んでおくことをメンバー全員が確認したのは言うまでもない。

inserted by FC2 system