第六話


<デイデイト編 その2>

代表  :「お〜い、○○くん、S店から18038を取ってきてよ。」

代表  :「最近はダイア散りばめた300万クラスがバンバン売れるんだよね〜! 
それも地方の人が電話1本で決めちゃうんだから、凄い世の中になったよ〜。

数千万の広告費もすぐに回収できちゃうんだよね〜!」

代表  :「そうそう、この前結婚した神田正樹くんと松田聖子ちゃんのペアROLEX(YG金無垢)、あれもうちから卸たんよ〜!」 ← ホンマかいな?

かなりお喋りな人で、色々面白い業界裏話を聞かせてもらいました。

時計仕入れは台湾華僑を通じて大量に現金で購入すること、この華僑の方は業界の有名人らしく年間数十億円規模の商いをされていること...

またこの社長さんは大阪出身とのことで若い頃はかなり苦労されたらしいです。

仲間内でお金がなくなると順番にベンツの前に飛び出して治療費を稼いだこと(それって当たり屋じゃん)、その内ヤーサンのベンツに遭遇してしまい大阪南港に沈められそうになったことetc...

業者の方もひっきりなしに訪れて「仕入れ」「卸」の商談があちこちで行われてます。

カリメロはと言えば、代表者の話半分くらいで、手元の10Pダイア18038Aが本物かどうか真剣に調べてます。

日付早送り...OK、次に曜日が運針逆回りで一つ前に進む...ふむふむ、これもOK...まあ、D・Jと比較して1ランク違う造りの良さは本物の輝きを放ってましたので、一目見た瞬間に確信してましたけどね、エッヘン!

40分位待たされて、若い○○くんが鞄を大事そうに抱えて戻ってきます。見るとその鞄と左手は頑丈な手錠でしっかり繋がってます...

代表  :「この前見事にひったくりにやられてさ〜、お店から跡を付けてきたんだろうね〜、それからはずっと手錠を使ってるんだよね〜」

物騒な世の中ですが、手錠を使うのは正解だと思いました。

付属品一式とおまけにもらった全面スケルトン手巻き時計(スイス製(Aroma)/値札には4.8万円の表示、ホンマかいな!)を大事に抱えカリメロは帰路につきます。

デイデイトを手に入れた興奮は暫く醒めず、夢見心地の毎日でありました。

そのデイデイトは20年近く経た今も大切に常用しています。(おまけの時計もまだ持ってます!)
Cal.3055はムーブ自体に厚みがありケースもかなり嵩張っているのですが、その厚みのせいでラグの傾斜が大きく非常に優美な形状は見応えがあります。

この想い出のデイデイトは一生手放さず、大切に使いたいと思います。

第六話

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